村上龍のユーチューバーが正直全然おもしろくなかったのでレビュー

あいかわらず、車中泊しながら日本中まわってます。

今日もとある市立図書館にいきました。

入り口の近くに、新刊を並べているコーナーがあったので、物色してたらありました。

村上龍の「ユーチューバー」

読みたいと思っていたのでさっそく手にとって、図書館内で読みます。

県外民なので、当然貸出はできません。

黄色い背景に、黒字のタイトル

めっちゃ目立ちます。

奇しくも昨日読んだ本と、全く逆の配色です。

ひろゆきの「誰も教えてくれない 日本の不都合な現実」

とにかく目立たせたい!という編集者の気持ちが伝わってきます。

ざっくりどんな内容?

読み始めると、小説でした。

自伝的小説ですね。

たしか3部くらいに別れています。

1部は、老人がユーチューバーになって、自分が関係を持った女の話をひたするする、という中身です。

ただし視点は、インタビュアー目線です。

2部と3部は、老人視点の話と、老人の愛人目線だったような気がします。

2部3部にと進むにつれて、つまらなすぎて、もはや忘れました。

感想

書評としては、正直つまらなかったです。

ユーチューバーとして過去の女の話をつらつらとする、という内容だけ聞くと、

「お、おもしろそう」と思うかも知れませんが、実際に読むと別におもしろくありません。

何人かは忘れましたが、10人くらいの女について、

どこで出会ったか、

どんな女だったか、

どんなセックスをしたか、

みたいな事をひたすら紹介します。

おそらくすべて、村上龍の実話です。

若い頃のヒモをしていた時代の話や、

小説がヒットして、映画監督になって女優とセックスしたとか、

実話だと思うので「へー」くらいは思うのですが、

やはり事実だからこそ面白く無いんだと思います。

小説なら、どんなにぶっ飛んでいても、ストーリーとして楽しめますが、

実話をいくら聞かされても、あ、そうですか、くらいしか思いません。

アマゾンのレビューには、村上龍の遺書だ、と書いてる人がいましたが、

たしかにそうだな、と思いました。

村上龍といえば、セックス大好きなエロオヤジである事は、ひしひしと伝わってきます。

ただしめちゃくちゃ頭の良いエロオヤジです。

村上龍は、ざ日本人体型でイケメンでもないですから、相当なコンプレックスを抱えていることも分かります。

そんな男が、どうやれば女にモテるかを常に考えた結果、小説や映画など、ヒット作を作り、世間から評価されることで、女にモテることに成功した、と印象です。

「限りなく透明に近いブルー」を初めて読んだときは、衝撃でした。

その他の小説も、だいたいすべて、めちゃくちゃおもしろい

その頃は、セックス大好き感が伝わってきて、現役感があったので、ワクワクできたのですが、

今回のユーチューバーは、おそらく男性機能が働くなって、死ぬ前にう過去の女でも紹介しておこうか、みたいな印象をうけました。

そういう意味の遺書という表現はぴったりです。

「69」や「トパーズ」などのギンギラギンの世界観を経験したあとでは、なんだか寂しくもなります。

最後に

私は村上龍のファンであることは変わらないので、最後まで読みましたが、最後の方は内容も覚えていないほど、おもしろくなかったです。

あくまで個人的な感想です。

村上龍は、芥川賞を受賞した本や、その他のクレイジーな小説や、わくわくする自伝的小説もたくさんあるので、過去作品を読んでいない人は、ぜひ読んで欲しいです。

村上龍作品に久しぶりに触れたので、なつかしくはありましたが、ひとつの時代がおわってしまったなーという感想を持ちました。

村上春樹よりは、だんぜん村上龍派なので、あと一冊くらいおもしろい小説なりドキュメンタリーなり作ってほしいものです。

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